おちゃめな50代
老いに抗い人生を楽しむ

八つ当たりおじさんの口を封じる一言

狭いスーパーでの一コマ
お会計を済ませた商品をレジ袋に入れるスペースもかなり狭い。皆譲り合っている。そこへ大きなショルダーバック2つを肩にかけたまま袋詰めするおじさん。私と背中合わせの状態で時々カバンが私に当たる。

「チっ」と思いながらも袋詰めを終えるも、帰ろうとするタイミングがおじさんとバッチリ合ってしまった。彼より先に出たい。あちらも譲る気はない。
身体がぶつかり合いながらするりを先を越された。カゴを戻しながら一言

「邪魔だな」

と吐き捨てられた。
「そっちでしょ!」という声は届かない。声が出ていたかも分からない。気持ちだけで声は押し殺したかもしれない。

悔しくて悔しくて帰り道に正しい言い返し方は何だったのか考える。喧嘩にならず相手の口を封じる決定的な一言。

あえて丁寧にかつ大きめの声で
「すみませんでした!」とか
「夜道気をつけてください」とか
「臭っ!」とか

声の大きさや、言い方を何度もシュミレーションをする。
絶対あいつは仕事ができない、なんて妄想まではじめる。
そのうち、そんな自分に可笑しくなって笑ってしまった。

正解は今も分からない。 次にそんなシーンがあったら絶対言い返してやる!練習しないと咄嗟にはでてこない、練習だ!なんて鼻息荒く思っていたけど、今こうして文章で吐き出せただけでスッキリしている。
もしかしたら相手に言い返していたらこんなスッキリした気分にはなれなかったかもしれない。